コロナ禍と大学

〜工学部編〜

中京大学工学部教授 鈴木常彦
Sep 6, 2021 ESD21
http://www.suzuki.sist.chukyo-u.ac.jp/misc/plague-and-univ/

中京大学 (工学部) について

情報工学科カリキュラム

COVID-19 下での授業形態

ノルマ

大学設置基準(昭和31年文部省令第28号)


中京大学の場合 (たぶん一般的):

授業 15コマ x 90分 = 22.5 時間 ... 22.5 時間 x 2 = 45 時間 ... 半分足りない
→ 授業時間の倍の学習が必要 (授業時間と同じだけ予習復習せよ / させよ)

驚きの新事実

「学事日程等の取扱い及び遠隔授業の活用に係るQ&A等の送付について」

問2 「10週又は15週の期間について弾力的に取り扱って差し支えない」とあるが,例えば,本来15コマの授業を13コマにし2コマ分の授業時間数を削ることを許容する趣旨か。

2020年度秋学期の対面授業率 (工学部)

情報工学実験I

ネットワーク実験

特段の問題なく従来の内容を 2020 年春の突然のオンラインでも実施できた。


実験内容

  1. 仮想化ソフト VirtualBox と鈴木提供の実験用VM仮想マシンを自分のパソコンにインストール
  2. 鈴木が開発した仮想ネットワーク構築ライブラリ VITOCHA を用いて図のような実験用仮想ネットワークを作成する (Ruby によるプログラミングと仮想機器の設定)
    Client --- Virtualwan --- Server
    		
  3. Client と Server の疎通を確認
  4. Server で FTP Server (ファイルサーバ) を立ち上げファイルダウンロード
  5. Virtualwan で帯域 (MB/s)、遅延 (ms)、パケットロス (%)を変化させスループットを測定
  6. グラフを書いて帯域遅延積について考察しレポートを書く

ネットワーク実験

実験道具

オンライン授業の進め方

オンライン授業の進め方 1

CMS (Cource Management System) である MaNaBo (札幌のベンチャー (株)VeRSION2 のGLEXA をカスタマイズ) で授業をマネジメント

機能: 出席、掲示板、チャット、お知らせ、メール、小テスト、教材、レポート

オンライン授業の進め方 2

FLOSS (Free/Libre Open Source Software) の Jitsi Meet で構築した自前のウェブ会議サーバでライブ授業 / ゼミでも活躍 (Google Meet などは使いたくなかった)

機能: テレビ会議、画面共有、チャット、挙手、YouTube連携 等

  

ChukyoBSD の画面を共有中の Jitsi Meet

オンライン授業の進め方 3

インストール方法、実験方法のビデオを提供



オンライン授業の進め方 4

授業アーカイブを MaNaBo にアップロードし、随時、メール、チャットで質問を受付

オンライン授業に役立った道具

オンエアーライト書画カメラYAMAHA スピーカーフォン YVC-200

オンライン授業に役立ったソフト

QuickTime (画面記録)iMovie (動画編集)ffmpeg (動画圧縮)

秋学期投入予定

Mattermost : Slack に似たチャットサーバ
(MaNaBo のチャットは使いづらいし Slack に学生を強制参加させたくない)

まとめ

おまけ

私は(株)リフレクションで取締役 CTO もやっております。

大学での知見をもとに昨年から散発的に社員の通信教育をはじめました。

  1. メールで課題を送信
  2. 仮想ネットワークで実験し課題の質問に回答
  3. 添削
  4. 次の課題へ (ARP, ICMP, IPアドレス, ルーティング など...)

参考文献